号泣

 エリオット・スミス生前最後のライブ音源を入手。3時間かけてダウンロードし、1時間かけて再生ツールを探し、2時間かけてflacファイルを再生するために必要なプラグイン追加を試み、今さっき再生できることを確認し、現在号泣状態。やばいよここは自分の部屋じゃなくて居間なのに。


 泣く。なにはなくても泣く。弦が爪弾かれただけで胸が苦しくなる(当時の)新曲「memory lane」。「passing feeling」での「ぼくはここに留まって/過ぎ去っていく感情を待っている」のフレーズはどこまでも清々しく美しい。「st ides heaven」での決意。「between the bar」での冷たい酩酊。「rose parade」の寓意を秘めた誘惑。コードを押さえる手を見つめながら歌う姿が動画で収録されている「say yes」の誠実な嘘。


 I(ハートマーク)METALの凄まじくダサいTシャツ(どこまでも垢抜けないファッションセンスも彼の特徴だった。サントリーのリキュールのロゴが入ったmidoriTシャツ、数日洗髪してないのかボサボサを超えてぺタっとなっている髪、アルバムのリーフレットに載ったトレーナーにジャンパーという服装のまま各種音楽メディアの取材に応じる姿、詳しくは http://images.google.co.jp/images?q=elliott%20smith&hl=ja&lr=&rls=GGLD,GGLD:2004-19,GGLD:ja&sa=N&tab=wi で確認してください)も、物静かな口調の中に時折笑みがこぼれるMCも、今ではただただ辛い。


 音質は中の下。録音場所のせいか一定の声量を超えると音は割れるし、歌うキーを外して途中で演奏をストップすることもしばしば。けれど、もしそうでなかったらとても聴けないくらいへヴィ。


 もしこの音楽から何かを感じ取れない人がいたら、嘘だと思う。

 もし、この文章に少し興味を抱かれた人がいたら、でもって「MDでもいいですやん」という鷹揚さを兼ね備えておられる方でしたら、自選エリオットスミスのMDを無償で送らせていただきます。「欲しいぞ」とのメッセージをコメントかメールでどうぞ。