滝への新しい小径

トルーマン・カポーティ」読了。ものすごく面白い。関係者たちの証言を編纂して作った、珍しい形式の伝記。彼の伝記は既に「カポーティ」という決定的なものが出てて、それも持ってるけど(大学のとき大枚をはたいて買った)、「トルーマン・カポーティ」のほうが、言い方は悪いけれどスキャンダラスな魅力、ゴシップの楽しさがある。そしてトルーマン・カポーティという稀有な存在そのものに迫っている。映画も観たい。


しかし、どうして破滅的な人物にこうも憧れるのだろう。


近況……久々に腹を立てる。


 基本的に自分は怒ることのない人間なのですが(人を叱るという経験は生まれてこの方ないような気がする)、何故かと考えると、不合理や、愚かしさを目にしたとき、あきれると同時に、トホホ……と事態を受け入れてしまっているからかもしれない。ただそれを受け入れたところで解決には繋がらないわけで、そこらへんの葛藤がウィトゲンシュタインの初期哲学やショペンハウアーに向かわせたのだろう。理解できてるとはいえないけど。